
「ヨーロッパでの伝統医療」「体に害のない自然療法」「西洋版の漢方薬」となるでしょうか。同種療法と訳され「症状を起こすものはその症状を取り去ることができる」を基本とし、「症状を起こすものを非常に薄める事でその毒性を無くし、ゆえに体に優しく、そしてそれは薄められてはいるものの、活力を与える事で特有の情報だけが残される」という、とても体にやさしい療法です。ヨーロッパでは医療保険の対象になっている国もあり、英国王室の主治医はホメオパシー療法家である程、絶大な人気を誇る療法であります。
ホメオパシーで使われるレメディーは金平糖のように甘く小さいものです。個々のレメディーの中には、それぞれ特有の情報が含まれて、例えばブライオニア(乾燥した所に生息するツタ科の植物)というレメディーの情報は「乾燥」で、体が乾燥している人に効果があります。身体が乾燥している人は自分が乾燥している事が分からないので、不自然な自分の状態を正そうとする自然治癒力も働らかないのです。よって「乾燥」という情報をもっているブライオニアというレメディーを与えると身体が「あ! 体が乾燥している」と気づき、そして自ら健康を取り戻そうと自分の力を発動させます。不自然なものを自分の一部として認めているところに同じ情報をもったレメディーを与え、鏡を見せるように「あれ? これじゃいけないじゃない!!」と思わせ、本来の自分に戻ろうとする力を発動させるのです。
ホメオパシーのホメオは「似たもの」、パシーは「病気」という意味で、「同種療法」「類似療法」と訳されます。その内容をごく簡単にいえば「似たものが似たものを癒す」という原理により、心身に入り込んだ病的エネルギーを押し出し「病気を終わらせる」療法です。そして生命(いのち)のレベルを高め、私達をより幸せに導いてくれる癒しの業、それがホメオパシーです。
起源は古代ギリシャのヒポクラテスにまで遡りますが、近代ホメオパシーの創始者は、磁器で有名なドイツ・マイセン出身の医師サミュエル・ハーネマン(1755〜1843)です。
彼はマラリアの特効薬として知られていたキナの皮を煎じて自ら服用した結果、高熱、発汗、衰弱などキナの皮が治すというマラリアそっくりの症状を引き起こしたことに大きなヒントを得て、ホメオパシーの基本原理を発見しました。
つまり、それが健康な人間に投与するとある症状を起こせるものは、似た症状を持つ病気を癒すことができるという「類似の法則」の発見です。ハーネマンは、この原理に基づいて、ホメオパシーを提唱したのです。
この逸話は、ニュートンがりんごの実が落ちるのを見て万有引力を発見した有名なエピソードと同じくらいホメオパシーにとっては重要です。ホメオパシーは、当時の医学界で評価・反発を含めて大反響を巻き起こしたのですが、ともかく非常によく効くものですから、ヨーロッパはもちろん、アメリカでも半数近くの医師はホメオパシーに転向した時代もあったのです。
現代医学が非常に進歩したように見えたのに対し、ホメオパシーには発展がないように見えたこと、またホメオパシーのレメディーはとてつもなく薄められ、元の分子がまったく存在しないといってよいほど薄められるものですから、そんなに薄めてなぜ効くのかという大きな疑問があったからなのです。そのため、現代医学の発展の陰に隠れていたわけです。
しかし、素晴らしい未来を約束されたように見えた現代医学も、残念ながら大きな壁に突き当たっています。一方現代科学の驚異的な進歩で、かつてはまったく不可思議であったホメオパシーの原理も少しずつ解明されており、欧米ではホメオパシーが改めて脚光を浴びています。
ちなみに英国王室をはじめ、ヨーロッパ各国の多くの王室の主治医はホメオパシー医です。いまやドイツやフランスでは医師の 4 割近くがホメオパシーを用い、また医学のカリキュラムにもホメオパシーが入っています。またアメリカでもホメオパシーのレメディーの売上がこの15 年間で約 30 倍にもなっているほど注目されています。
ホメオパシーには病名がありません。私たちの個性・体質が異なるように、症状もすべて異なるからです。
ホメオパシーのセッションはどのように行われるのですか。
まず、ホメオパシーには現代医学的な意味での病名というものがありません。実はそもそも「病気というもの」は存在しません。 Aさんの症状、Bさんの症状という千差万別の「症状」があるだけで、病気という「もの」は存在しない。ですからホメオパスは、クライアントの症状の全体像を組み立て、その「症状の全体像」に対してレメディーを投与します。
ホメオパシーのセッションでは、特に初回にとても時間をかけ、クライアントからいろいろな話をお聞きします。最初は1時間から2時間くらいゆっくりお話しを聞きます。病気とは一見関係なさそうな事もさまざま聞いて、「症状の全体像」を描いていくわけです。ただし、症状といっても現代医学でいう症状とはかなりニュアンスが違います。ホメオパシーではその人特有の変わった症状が重要で、変わっていればいるほど重要なのです。これは似顔絵を描く作業にたとえられるかもしれません。
現代医学で重要な症状は病名に対する標準的症状ですから、たとえると、目がふたつ、鼻と口がひとつ…でも、これでは似顔絵になりませんよね。しかし、ホメオパシーでは、目は切れ長で、鼻はダンゴ鼻で… など、その人ならではの特徴を一つ一つ積み重ねて症状の全体像を組み立てていくわけです。そして、その全体像と最も似たレメディーを選び、クライアントに与えるのです。
病名がないというのは、「現代医学的病名」がないということです。ホメオパシーにとって意味がありませんから。ただホメオパシーではクライアントの事をホメオパシーのレメディーの名前、たとえばLycopodium (苔杉)の方、Apis (蜜蜂)の方、と呼んだりもします。
ホメオパシーにとって健康とはその人のVital Force(生命力エネルギー)が正常な状態、病気とはそのVital Forceが障害を受けている状態、病気の症状とはその唯一の表現であると考えています。生命のエネルギーがこんな障害を受けているという苦悩の表現であり、また治癒の過程でもあります。
たとえば嘔吐はいやなものですが、体が受け付けないものを外に出してやるという治癒の過程でもあるわけです。ですから、同じ症状を起こせるレメディーを入れることによって、その出ていく力を助けてやる…そのことだけをホメオパシーは行うのです。
レメディ(治療薬)は、薄めれば薄めるほど効果がある。これが東洋医学とも違うホメオパシーの特徴です。
漢方やアユルヴェーダ等の東洋医学でも自然治癒力に働きかける事に着目しているわけですが、漢方やアユルヴェーダもやはり優れた療法だと思いますが、調薬がちゃんと成分としてあって、それが自然治癒力を高めることにつながるわけですね。ところが、ホメオパシーのレメディーは、いわゆるクスリではありません。
ホメオパシーのレメディーは、信じられないほど極端に薄められています。ホメオパシーでは、もとの成分 (植物、鉱物、動物などさまざまな原材料) を水や酒精でどんどん薄めてゆきます。それも、一般的なレメディーですら10 の 60 乗倍、中には10 の 200 万乗倍というように天文学的に薄めていくものもあります。
なぜそんなに薄めているものが効くのか、と言う事については量子力学や化学の観点からさまざまな説明がされようとしていますが、未だはっきりとは解明されてはいません。ただ、どのようにすれば効くか、ということについてはかなり分かっています。ちょうど麻酔のメカニズムは全く分かっていないけれども、どうすれば麻酔ができるかは分かっているのと同じように、臨床的に数え切れないほどのデータで実証されています。ともかく、この「薄めれば薄めるほど効果が深くなる」というところに東洋医学とも異なるホメオパシー独自の特徴があり、生命の力という無形のエネルギーレベルに働きかけている証でもあります。
それから、ホメオパシーをプラシーボ効果ではないかと揶揄する人がいますが、これは二重に間違っていると思います。1つにはその人たちはプラシーボ効果をある種のごみ箱かのように思っているのですが、本当はプラシーボ効果というのは凄いことなのです。信じたり祈ったりするだけで病気が治る生命の働きというものこそ今から本当に掘っていかなければならない大鉱脈なのです。
2つ目に、ホメオパシーは動物にもまったく同じように働くのですが、犬や猫もホメオパシーを信じているから働くのでしょうか。つまりホメオパシーは、人間、動物、植物といった種を超えた大きな生命エネルギーに直接働きかけているものなのです。レメディー (治療薬) は、薄めれば薄めるほど深く作用する。これが東洋医学とも違うホメオパシーの核心なのです。

ホメオパシーの基本である「同種の法則」ですが、5000年程前のエジプト・中国などで使われていて、日本でも昔はこの同種の法則で民間療法がなされていました。しかし症状を押さえ込んでしまう逆療法が全盛期になると、この同種の法則は今から250年前のハーネマン医師が再発見するまでは表舞台に登場することはなくなってしまいました。このハーネマン医師はドイツ人ですが、その頃主流であった対処療法(逆療法)に疑問を感じ、医者としてではなく翻訳家として過ごしていました。彼はある時マラリアの特効薬としてキナの皮の事が書かれている本を翻訳していました。そのキナの皮に興味を抱いたハーネマンは、マラリアに感染していないにも関わらずキナを煎じて飲んでみると、マラリアと同じような症状(悪寒・発熱・脱水症状・脱力感など)が現れていたのです。そしてマラリアに罹っている人に投与する事でその症状をとるものは、健康な人に投与するとその症状と同じような症状をもたらすという事にヒントを得、ホメオパシーの「同種の法則」を発見し体系化しました。その後、薄め活力を与える程効果が強くなる「超微量の法則」を発見し、心や体に優しく副作用のないホメオパシー療法を構築していきました。
その後は、ヨーロッパ全土・アメリカなどへも広がっていき、コレラが大流行した 1845年にはコレラの死亡率が通常の病院で53%であったのに対し、ホメオパシーの病院では16パーセントという驚異的な効果をもたらした結果、ホメオパシーはさらに各国へ広がっていきました。しかしワクチンや病原菌の発見などで大きな進歩をとげた現代医学から、ホメオパシーは科学的な根拠がないと虐げられ再度裏舞台へと身をひそめる事となります。そして現在、現代医学の行き詰まり、薬を出すだけの治療への疑問、副作用の問題、自然なものの復活などから徐々に勢いを戻し、ホメオパシーの効果が再認識され、ヨーロッパ・南米・インド・北米・オーストラリアでは身近な療法となっています。
現在の日本ではあまり馴染みのないホメオパシー療法ですが、明治時代には既にドイツ人により「ホメオパチー」として入ってきており、戦前の自然療法の本には「砂糖玉が梅毒を治す不思議」として紹介されているようです。現在でも大きな国語辞典には「ホメオパシー、(またはホメオパチー)19世紀後半、ドイツのハーネマンが提唱した治療法」として記載があります。現在日本には、英国ホメオパシー協会の認定資格を持った治療家が80名程おり、これからはもっと身近な療法になる事と思います。

●ホメオパシーで使われるレメディー(小さい砂糖玉)は 自然界の植物・鉱物などからできていて、それを非常に薄めて毒性を無くしたものですので、妊婦さんやお子さまにも安心していただけます。最近では薬の副作用を心配される方や症状を押さえ込むやり方に疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
●ホメオパシーは心にも深く作用します。現代の日本社会では自分の感情を抑える事が良いと教えられてきました。例えば、上司に言われた屈辱的な言葉を「悔しい」と思ってもそれを飲み込み感じないようにしてきました。ホメオパシーでは、そんな押さえ込まれた感情が病気を引き寄せると考えますので、その感情に対して選ばれたレメディーで感情に働きかけます。よって最初は「悔しい」思いが浮上して怒ったり泣いたりしますが、その後は「まぁいいか」ととてもすがすがしい気持ちになる事でしょう。心のトラウマや苦しみその原因を探りその鎖を断ち切る事ができるのです。
●ホメオパシーでは熱には熱のレメディーを与え、熱を出し切る事をします。抑える事をしているとその抑えられた原因は新しい居場所を探し始め、違う形で別の症状が現れたり、熱を出し切れず微熱がだらだらと続いたりします。ですからホメオパシーではその原因を出し切る事に重点を置いているのです。また感情面でも同じ事が言え、魅力その2にあるように、一時的に怒ったり泣いたりしますが、その感情を出し切らせるよう働きます。
●例えば鬱の方には鬱になった頃の話をお聞きします。それがリストラされた時に感じた「自分はだめな人間だ」という感情であれば、自分を卑下するレメディーを与えます。鼻水が止まらないという問題であれば、鼻水を止める薬ではなく、鼻水が始まった頃の話を聞き、それが引っ越し以降であれば新築の新建材や環境ホルモン、又は埃などを考え、毒出しを重点に考えます。
個人個人原因はさまざまであり、相談会では1時間程お話をお聞きした上でレメディーを選択します。ですから同じ症状でも人によって違うレメディーが選ばれます。
自然治癒力が発動すると身体は中に溜まっていたものを排泄しようと働き始めます。例えば鼻水などの分泌物が増えたり、尿量が増えたり、時には下痢をする事もあります。もちろん必ずしもこのような排泄が起こる訳ではありませんが、一時的な好転反応が起こることもあります。これは自然治癒力が健康に戻ろうとする際の働きで、レメディー自体が身体に悪い影響を与えている 訳ではありません。
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